Hearthstone の日本向け戦略において思う事
先に結論
- 英語を日本語にする以上のことはしなくても良かったのではないか。
- 下手するとガチでBlizzard社と揉めてろくな事にならない結果になりそう。
サーバ問題は解決しないし下手すると無駄な対立を産む。
今まで先行して遊んできた日本人は Americas リージョンを選択してきた。そしてどこの初心者ガイドを見てもリージョンは Americas を選べと書いてある。Asia は選ぶな、と。
この現象の原因は先行して遊んできた日本人プレイヤーだ。どう考えても Japan は Asia であり、常識的に考えたら Americas リージョンを選択する理由はない。
これは勝手な予想だが、多分こういう経緯で変なことになっている
- 最初のリリース時、日本はローカライズ対象に入っていなかった。その他扱いである。
- ローカライズ対象に入っている地域については、デフォルトの設定で適切なリージョンが選択される仕組みになっていた。
- ローカライズ対象となっていないその他の地域については、デフォルトでのリージョン設定は Americas になっていた。
- よって、日本でゲームを始めると、そこはその他の地域なので、デフォルトのリージョンは Americas と設定されることになった
とは言え、普通に考えたら手動で Asia サーバにつなぎ替えるべきだったと思う。せっかく「地域/Region」という項目があるのだから、そこに適切な値が設定されるべきだ。
と言うあたりについて、先行する人たちは何も考えることなく「リージョンは Americas を選択しろ、日本人はそこにいる」と言ってきたわけだ。これは大嘘で、先導している人がみんなで「Americasを選べ」と言ってきた結果「日本人がそこにいる」状態になってしまっただけだ。
さて、提供側としては日本人には Asia リージョンを選択して欲しいだろう。通信経路、接続負荷分散、イベントの始まる時間帯(タイムゾーン)……などの技術的側面と、何より Japan は Asia であるというのは当たり前の話なのだから。
一方、今までのデータ引き継げない&異なるリージョンのプレイヤーと対戦できない、という設計の都合上、既存のプレイヤー、いわゆる熱心な日本のファン(ファンというか金を落とす人たちである)は、自分たちが投資してきた物を無駄にするわけにはいかず、さらに自分と遊べる人口は増えて欲しいと考えているわけであるから、新規ユーザには「今のクライアントはデフォルトで Asia リージョンになっているけど、日本人が多いのは Americas だからそっちを選べ」とする姿勢を崩さないだろう。
言い換えると、日本人の既存プレイヤーだけみんな一気に(理想的にはシームレスに)リージョンの移動がされる仕組みが実現されるのならこれは解決するが、そう言う話が挙がってこないところを見ると、なかなか難しいことなのだろう。
と言うあたりで、理想的なゲームコミュニティの持って行き方としては、熱心に活動している人とサービス提供側が仲良く連携して盛り上げていくことが重要なのであるが、これについてはBlizzardの側が「Hearthstoneついては特別に、JapanはAsiaじゃなくてAmericasのリージョンとしよう」という決定をしないかぎり、永遠に衝突することになりそうだ。
せっかく公式がお膳立て(誘導)をしてくれるようになったデフォルト設定値を受け入れないのが正解だなんて、仕組みの作りとして地獄過ぎる。